2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

-外国為替-

« 上海日記;上海生活 | トップページ | 上海日記;上海蟹(大閘蟹) »

上海日記;上海の高層公寓

中国語表記でマンションは《公寓》。

11月15日午後2時過ぎ、中国は上海市静安寺地区(上海市静安区膠州路728弄1号)にある、同区教育学院の教員向けの28階建てマンションで火災が発生。58人(男性22人・女性36人)が死亡、70人以上負傷した。

S08_25949145
(消防車がぜんぜん足りていないッ! 
出典→Shanghai apartment fire

建物の内外から火が噴き出しているところをみると、建物の中(部屋)の物が燃えているだけではなく、外壁そのものも燃えていることがわかる。

日本の火災だと、手抜き工事による非耐火構造で、建物そのものが燃えてしまったホテルニュージャパン火災と同じ。

被害者多くは定年退職した高齢の元教師。部屋から出ようにも、泥棒よけの鉄格子が邪魔して逃げられなかった例もあったそうだ。

(DNA鑑定で日本人男性の死亡も確認。現場となったマンションに住む妻の父親の誕生日祝いをしていて火事に巻き込まれた。橘さんと妻の遺体が部屋の台所で抱き合った状態で見つかったという)

火災は、外壁改修工事を行っていた(無免許の)電気溶接工の作業からの飛び火から始まった。

工事現場の足場を被っていた緑色の《防塵用の可燃性ナイロン網》に引火。強い風にあおられて、燃えやすいポリウレタン発泡樹脂(断熱材)にも燃え広がったのが原因とされる。外壁には保温のため、ポリウレタン発泡樹脂の吹きつけ作業がされていた。

ポリウレタン発泡樹脂は熱で溶けて油状の着火剤になり、さらに有毒な青酸ガスが発生させ、被害を拡大してしまった。また電気工事も行っていたようで、火災報知機は鳴らずエレベーターは停止中だったようだ。

溶接工の工事作業の火花が飛んだくらいで、マンション外壁までもが燃えるというのは、当該マンションが耐火建築の建物ではないという証拠。

P1030965
(昌平路×胶州路の交差点から)

1階は商業スペース、2階から28階までは住宅(156戸)。

P1030969

早朝から野次馬でごった返している現場。

P1030989

1階の商業スペース部分はあまり燃えていないが、街路樹は熱風に煽られてダメになっていた。

P1030978

出火場所は10階付近。火は主に上方向に広がったらしい。

P1030971

P1040003

上海市消防局長の陳飛氏は記者会見で、「15日午後2時15分に上海市救急センターに火災の第一報が入り、(1時間も経った)3時16分に上海市消防局に出動命令が入った」と述べた。

通報により約70台の消防車が出動したが、50~60m級のはしご車ばかりで、放水は10階までしか届かなかった(1台のみ90m級はしご車)。

建物上部の火は火災発生から2時間後、隣のマンションからの屋上からの放水で消し止められた。屋上に逃れた住民は3機のヘリコプターで救出された。鎮火したのは約4時間後。

P1030982

私が上海に到着したのは火災から8日後。

上海の地元テレビでは「地元政府の責任を厳しく追及」する番組をずーっと放送していた。中共政府御用新聞の人民日報でさえ、上海政府を厳しく批判していた。

上海市内だけでも、同じような高さのマンションが6,000棟はあるそうだ。それだけに市民の関心は高い。


今回の外壁改装工事業者は、曾孫請け業者だったそうな。

元請けは政府系《静安区建設総公司》で、公開入札もなく3500万元で工事を受注。

《静安区建設総公司》は半分以上の2,300万元も中抜きして、1,200万元でその下の《上海佳芸建築装飾工程公司》に工事を投げた(従業員約50人)。

その《上海佳芸建築装飾工程公司》は、実際にはその下請け(孫請け)に工事を投げていた。

足場を組んだり実際に外装改修工事をやっていたのは、さらに孫請け・曾孫受けの会社。電気溶接をしていた無免許の工事人とは、いわゆる農民工(出稼ぎ農民)だったようだ。

火災から2日後の夜、原因究明の証拠品;ポリウレタン発泡樹脂(断熱材)が火災現場からトラックで運び出されたのが、ここ上海でも大きく報道されている。上海当局は「上


火災発生から7日後の11月21日(初七日)。

慰霊祭が執り行われ、政府関係者や約1万人の市民が参列。現場周辺は献花された花で覆われた。

Image001126_2

その3日後。

現場周辺にはトタン板の壁が出来ていた。

現場で献花する市民がいて、現場に通じる道には何人もの花屋がいた。

P1040004

P1030995

P1030999

上海市政府は特別重大火災事故と認定。中華人民共和国侵権責任法に基づき、(上海戸籍の有無に関係なく)犠牲者に対して賠償金65万元と救助金31万元を支給する。家屋の損害賠償問題は「市場価格に基づいて全額賠償」という原則のもとに処理するとか。

周辺マンションの中古販売価格は、1平米あたり23,000元。

12月20日頃から本格的な復旧作業が始まる。


上海と言えば(上海に限らないけど)、不動産バブルで有名。

市内に建つマンションのデザインはほぼ同じ。やたら凹凸があるゴテゴテとしたデザインがウケるようだ。ピンク色の外装も目立つ。

P1040189

ちなみに専有面積(得房率)は販売面積の7〜8割なので、販売面積40〜90平米ほどの部屋の住人は、テラスを改築して1部屋増やして住む。

P1040190

不動産屋。

P1040225

P1040222_2
(投資用なのか、金持ち向け100平米超の物件の売り出しが多い)

では、ポスター左側の《文海大楼》をみてみましょう。

所在地の『浙江南路』は上海市中心部にある人民公園のちょっと東側にある。地下鉄だと8号線大世界駅下車、推定徒歩10分。東京で言えば港区青山のような所でしょうか。

80.52平米(小さめの3LDK)で285万元(1平米あたり35,625元計算)。

中国の面積表示は、玄関以外の共用部分も入るので、専有面積=得房率では65平米くらいでしょう(高級マンションはエレベーターホールを広くとるので、実質の専有面積は狭くなる)。

親子4人が住むには限界の広さでしょうか。
この部屋は築年数も経っているし間取りも向きもイマイチ。

中国の物価は(外食はとても高いけど)、都市部では日本の物価のおおよそ「7分の1」。全国を対象にしたGDPだと10分の1になります(マクドナルドのチーズバーガーで6元。大瓶のビールが3元前後)。

中国の大卒初任給は月1,900元〜2,300元程度(上海で働く労働者の平均月収は2,235元)。年収は22,800元〜27,600元。

つまり販売価格285万元は、大卒初任給年収の100倍超です。

まあ新卒者で買う人はいないので、一般的には大卒者年収の20倍以上と言われています。

しかも購入時に、頭金として販売価格の3割〜約半分を一括で払わなければなりません(90平米以上で30%以上、90平米以下では20%以上を支払わなければならない決まり)。

ローンは一般的には10年間です。

新築物件だと内装工事代は入っていないので、更なる支出(最低でも10万元以上)が生じます。マンション1棟全世帯が内装工事がされていないため、内装工事待ちで何年・・も当たり前。早く工事をして住めるようにするために、また余分な出費(贈答)が必要です。

しかもしかも、チャイナクォリティーというのか、億ションでさえ、床には凹凸があり排水管の漏れや細部の壊れは当たり前。立て付けも悪いので度々修理代もかかります。

親がかりではない限り、1人の年収を丸ごとローン返済し、1人の年収で家族が暮らす・・つまり共稼ぎでないと買えないようです。子供が産まれれば、その教育費が膨大・・・w

上海の2010年第3四半期のマンション成約平均価格は、高級マンションの建設ラッシュに伴い、一件当たり(中心部も田舎も含めた平均)203万8,000元(約2,700万円)。

「いま買わないと、もう買えない」という都市住民の焦り。既に開通している地下鉄の沿線にある物件は、高すぎて買えない現実。

一方で、「6450万件の住宅が未使用空室」説は真実=中国有力経済誌社説。

いづれにせよ上海市民は、一生ローンの支払いに追われる《房奴》=家の奴隷となって、日々の生活に追われているんだろうなぁ・・・と思いながら上海の街を歩いていました。


.
.
.
にほんブログ村 旅行ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ

ぽちっ・・・ありがとうございますっ☆


« 上海日記;上海生活 | トップページ | 上海日記;上海蟹(大閘蟹) »

zone(東アジア)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532551/50163975

この記事へのトラックバック一覧です: 上海日記;上海の高層公寓:

« 上海日記;上海生活 | トップページ | 上海日記;上海蟹(大閘蟹) »